## 容疑者の名前: 那須野亮(まこと)
千葉刑務所で服役中の那須野亮(まこと)容疑者(46)が、水筒で殴られ死亡した受刑者、藤江彰受刑者(51)の殺害容疑で逮捕された。
## 事件概要
那須野容疑者は2022年8月24日午前7時5分頃、刑務所内の共同室で寝ていた藤江受刑者の頭部などを水筒で殴り、死亡させた。水筒は刑務所内の熱中症対策として各受刑者が所持していたものだった。
## 容疑者の背景
藤江受刑者は2017年から2021年にかけて富士山麓付近の宿泊施設に侵入し、就寝中だった11人にわいせつな行為をしたとして準強制性交等罪などに問われ、懲役14年の刑が科された受刑者だった。
## 容疑者の前科
那須野容疑者は2006年に性的暴行を加える目的で同じアルバイト先の女性宅に侵入、首を絞めて女性を死に至らしめたという事件を起こし、無期懲役囚となっていた。法廷で「刑務所に行ったとしても、自分を律していこうと思っている」と証言していたはずだが、今回の事件は彼の計画的な犯行を物語っている。
## 裁判の流れ
那須野容疑者に対する刑事裁判は2007年6月、東京地裁(園原敏彦裁判長)で開かれた。当時、裁判員制度の施行を控え、重大事件においては非公開の公判前整理手続きを経たのち、集中審理が行なわれるという形式が取られつつあった。那須野容疑者の裁判も、その形式により2日で結審した。
## 犯行の詳細
那須野容疑者は2006年12月28日午前、当時22歳のAさんが住む部屋で、Aさんの首を絞めて死亡させたうえで性的暴行を加えた。ふたりは交際しているわけでもない、ただのアルバイト先の同僚だった。那須野容疑者は勝手に合鍵を作ってAさんの部屋に入っていた。
## 検察側の主張
当時の公判での検察側冒頭陳述によれば、那須野容疑者が居酒屋のアルバイトとして働き始めた1か月後、Aさんもアルバイトとして加わった。すぐに好意を持った那須野容疑者は、メールでAさんを食事に誘い始めたが、Aさんからは断られ続けていた。しかし、那須野容疑者は諦めることなくむしろ一方的に執着を強め、2006年12月初旬には勤務後のAさんを尾行し、家を突き止める。
## 社会的背景
この事件は、性的暴行事件で無期懲役囚となった那須野容疑者が、受刑者を殺害するという衝撃的な展開となった。受刑者の殺害は、刑務所内の秩序を乱す重大な事件であり、その背景には性的暴行事件での前科や、受刑者への執着心が影響している可能性が指摘されている。
## 考察
この事件は、刑務所内の安全管理や受刑者の管理について、再考を促すものとなった。また、性的暴行事件での前科を持つ受刑者への対応や、受刑者同士の交流の在り方についても、議論が呼びかけられている。