1900万円の「ワイロ」受領で再逮捕! 前岸和田市長・永野耕平容疑者の「長年の癒着」疑惑と入札の闇

## 概要
大阪府岸和田市の公共工事をめぐる汚職事件で、前市長の永野耕平容疑者が、2つの公共工事の入札に先立ち、建設会社の代表取締役から非公表の最低制限価格を漏えいし、賄賂として現金1900万円を受け取った疑いで、大阪地検特捜部に再逮捕されました。地元では、永野容疑者と建設業者の「長年の癒着」を疑う声も上がっています。

## 容疑の詳細
9月24日、永野耕平容疑者(47)は、収賄などの疑いで再逮捕されました。容疑は、2021年8月と2024年5月に行われた2つの公共工事の入札に先立ち、建設会社の代表取締役を務めていた男性に、非公表の最低制限価格を漏えい。その結果、男性が代表取締役の建設会社を含む共同企業体(JV)と、実質的経営者の立場にある建設会社が、いずれも最低制限価格と同額で落札させました。

永野容疑者は、この男性から3回にわたって計1900万円を賄賂として借り受けた疑いです。地検特捜部は、永野容疑者の認否や動機、借り受けたお金の使途や返済状況などについて明らかにしていません。

## 入札の詳細
岸和田市の入札記録によると、2つの公共工事は水道管の取り換え工事で、以下の通りです。

* 2021年8月の入札:流木低区配水本管布設替工事
* 2024年5月の入札:土生町配水本管布設替工事

どちらの入札も、最低制限価格と同額で落札されています。

## 「癒着」を疑う声
地元の建設業界関係者らを取材すると、永野容疑者と建設会社の「癒着」を疑う声も上がっていました。

「永野前市長とその建設会社は、昔から昵懇の仲。仲が良いのはよく聞いた。永野前市長時代は市の発注工事をよく落としていた印象がある」(建設会社の関係者)

「ある入札の際に、分厚い資料を用意した業者が、薄い資料だったその建設会社に負け、おかしいなと言われていた。毎年のように、その建設会社が落札していて、不自然だと言われていた」(別の建設会社の関係者)

## 入札の透明性と正確な価格予測の必要性
岸和田市は、公共工事の入札に参加する際に、建設業者を格付けしていて、請け負える工事金額の目安も設定しています。しかし、最近は最低制限価格を計算するソフトウェアの精度も上がり、最低制限価格と同額を提示できるケースも多く、落札して受注を獲得するためには、より正確な価格予測が必要になっています。

## 過去の事件と起訴
永野容疑者は、9月24日、岸和田競輪場施設整備工事に関連して2021年5月に行われた競争入札をめぐり、同じ男性に最低制限価格を伝えて工事を落札させたとして、官製談合防止法違反と公契約関係競売入札妨害の罪で起訴されました。

## 市長の対応
岸和田市の佐野英利市長は、今回の件を受け、9月26日に臨時の会見を開き、入札制度を改革する考えを明らかにしました。

「汚職事件が起き、前市長が再逮捕される事態となりました。市民の皆様に大きなご不安、そしてご心配をおかけしていることに対して、心からお詫びを申し上げます」

「今後は最低制限価格に対して、入札当日にランダム係数を加える仕組みを導入していきたい。このことにより、私も含めて事前に正確な最低制限価格を知ることが不可能になり、不正を根本から排除していきたい」

佐野市長は来年4月をめどに新しい取り組みを導入し、透明性を確保し、不信感を払拭していきたいとしています。

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